日本は2022年W杯まで7度本大会に出場。4度決勝トーナメントに出場しているものの、16強を意味するその1回戦で毎度、姿を消していた。8度目の本大会出場となった今大会しかり。本大会出場国が48に増えたので、日本が敗れた決勝トーナメント1回戦は、これまでより一段早い32強を意味する。

 大会が佳境に入るかなり手前の段階で日本は舞台から消えたことになる。

 本当のW杯は日本が敗れた後に始まるーーとは、これまでW杯の凄さを語ろうとしたとき、若干皮肉を籠めて言われた台詞だが、今大会の現在も、この言い回しが言い得て妙と言いたくなる状況にある。

 世界のトップが世界一の座を懸けてしのぎを削るそのほとんどの試合が好勝負だ。滅茶苦茶面白いのである。本日行われた、アルゼンチン対エジプト戦しかり。アメリカ大陸は広いので、試合のすべてを生観戦できるわけではないが、筆者は現地でW杯の素晴らしさを堪能する毎日を送っている。人生の幸せを覚えずにはいられない。

 しかし当初、溢れかえるほどいた日本の報道陣はもはや数えるほどだ。大半はブラジルに敗れると、日本代表と歩調を合わせるように順次、帰国していった。彼らのW杯取材は日本代表戦取材とほぼ一致する。他国同士の戦いに関心が薄い人たちと言っても過言ではない。日本代表だけを眺めても日本代表の実像は分からない。良薬は見つからない、とは思わないのだろうか。

 いまに始まった現象ではない。日韓共催だった2002年大会以外、ほとんどがこの調子だ。大会が佳境に入ると日本人の取材者はグッと減る。サッカー好きとっては信じられない光景が取材現場に広がることになる。

 筆者が初めてW杯取材に出かけたのは1982年スペイン大会なので、1986年メキシコ大会、1990年イタリア大会、1994年アメリカ大会までの4大会は、日本不在のW杯だった。日本がいずれ本大会出場の常連国になることも、当初は想像できなかった。日本代表が筆者の後からついてきたーー。偉そうな言い方かもしれないが、正直を言えばそんな感じである。
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